心不全とお金の不安を整理する|医療費・給付金・制度をどう考えればいいか

医療費・制度・お金の知識

 入院中は治療のことだけでなく、「治療にいくらかかるのだろう?」と
不安を感じたことはありませんか?

 医療費はお店での買い物と違い具体的な金額がわからず、
受けた治療によって増額するため「いくらあれば大丈夫」という
正解はありません。そのため、病気とお金は切っても切り離せない悩みと言えます。

 しかし、病気になった時の公的制度や給付金にはいくつも種類があり、
「自分がどういった給付金や公的制度の対象なのか?」わかりにくい構造となっています。

この記事では、
・心不全に関わるお金を「医療費」「収入減への備え」「生活を支える制度」の順で整理します。
・お金の悩みや不安をほどき、気持ちの整理を助けます。
・給付金や公的制度を知ることで、医療費や生活の見通しを立てるヒントをお伝えします。


心不全とお金の不安は、なぜ大きくなりやすいのか

医療費が「一度きり」では終わらない可能性がある

 病気には治療を受けることで完治するものもあれば、心不全のように増悪と寛解を繰り返すものもあります。

 特に心不全は生活習慣(塩分、飲酒、喫煙、ストレスなど)や体調の変化が重なると、悪化しやすいことがあります。

 入院と退院を繰り返すことで医療費がかさみ、結果的に精神的・金銭的負担が増加しやすい傾向にあります。

「いくらかかるか分からない」ことが最大のストレス

 医療費に関する最大のストレスは「治療にいくらかかるのかわからない」ことだと思います。
これは治療にかかる費用には個人差があり、具体的な金額設定がなく、必要な治療や処置を受けることで増額するためです。

 そのため、医療費は金銭的な不安を抱えやすい問題と言えます。

 ここで重要なのは、見えない医療費に不安を抱え続けることではありません。
落ち着いて情報を集め、「自分はどんな制度を活用できそうか」を整理することだと私は考えます。

公的制度をより具体的に知りたい方は、こちらの記事でまとめています。
👉 心不全とお金の基礎知識|医療費・制度・給付金をまとめて解説


心不全に関わるお金は、大きく3つに分けて考える

 病気になった場合にかかるお金には3つあります。
 それは「医療費」、「収入減への備え」、「生活を支える制度」です。詳しく解説していきます。
 先に全体像を知っておくと、「今は何を心配すべきか」が見えやすくなります。

今すぐ発生する「医療費」の負担

 まず最初に発生するのは病院受診や検査のための「医療費」です。
 医療費とは主に病院の窓口での支払いのことであり、読者の方が最初に不安を感じやすい
「お金」の問題です。

 私もリハビリ中に「治療や入院にいくらぐらいかかるのか?」という質問をよくされます。

 これは医療費は相場がわからないからこそ不安が募り、入院や手術など必要となった場合は
さらに費用がかさむため、まさに悩みの種だと思います。 

 医療費の相場はインターネットで調べても曖昧であったり、医療者側に確認しても正確に答えることが難しいため悩みは尽きないと思いますが、日本の公的制度には窓口での支払い負担を減らす「高額療養費制度」というものがあります。

高額療養費制度」について詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
👉 高額療養費制度|心不全治療の自己負担を軽減する仕組み

働けない・収入が減ったときの「収入減への備え」

 入院中の患者から今後の希望でよく聞くのは、「早く退院して、職業復帰をしたい」です。

 ところが、心不全の治療を終えて退院しても、入院前と同じように職場復帰することが難しい場合もあります。理由は入院中に体力や筋力が低下しやすく、日常生活に戻った時に倦怠感や疲労感を感じやすいからです。

 とはいえ休業期間が長くなると「収入が減り、医療費や生活費が不足する」という不安を抱える方も多いと思います。そのため重要となってくるのが、就業できなくても生活が破綻しないようにするための「収入減に備える考え方」です。一般的には、数か月分の生活費を備えておくと安心と言われています。

 しかし、収入減に備えておくことが難しい場合もあると思います。そういった方のために日本の公的制度には、収入が減少しても生活を保障してくれる「傷病手当金」というものがあります。

傷病手当金」について詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
👉 傷病手当金|心不全で働けないときの支えに

退院後の「生活を支える制度」

 病院での心不全の治療が落ち着き、そろそろ退院という時期によく聞く不安があります。
それは「今の状態で帰っても前と同じ生活が送れるのだろうか?」です。

 まず入院中は心不全の管理を病院に任せることができていました。しかし、退院すると自分で体調を管理しなければいけません。

 その上、退院=健康ということではありません。むしろ、退院後は今まで以上に病気と上手に付き合っていく必要があります。病状によってはちょっとしたことでも息切れや動悸などを感じたり、場合によっては介護が必要となることもあります。

 退院後に介護が必要となった場合には「介護保険」、障害が残り長期間就業ができなくなった
場合には「障害年金」という公的制度があります。

「介護保険」、「障害年金」についてはこちらで詳しく解説しています。
👉 心不全でも「介護保険」は使える?利用条件・費用・サービス内容を徹底解説
👉 障害年金|心不全で受け取れる条件と実際の支給額


「知らなかった」だけで損をしやすい理由

公的制度は「申請しないと使えない」

 日本の公的制度は主に「申請主義」です。
申請しなければ、制度があっても活用できません。
だからこそ「どんな制度があり、今の自分が対象になりそうか」を知ることが大切です。

 手間はかかりますが、公的制度を活用するかしないかで金銭的負担には大きな差が
生まれることもあります。

入院中・退院前から考えておくメリット

 「病気は人も時期も選びません。」これは私の持論です。
 いつ病気になるかは誰にもわかりません。しかし、病気になった後にどんな公的制度が使えるのか調べていては、困っている時期に適切な支援を受けることが難しい場合もあります。

 例えば「介護保険」でも、申請してから認定を受けるまでに約1ヶ月かかると言われています。
その上必要なサービスを受けるためには、事業所選びやどんなサービスを活用するかなどの調整を行なうため、さらにサービス開始時までに時間がかかります。

 そのため可能であれば入院前から、遅くとも入院中にどのような公的制度があるのか知っておく必要があります。


いま全部を理解する必要はありません

まずは「全体像を知る」だけでいい

 ここまで読まれた方は「複雑そうだな」と感じる方も多いと思います。
 医療従事者でも公的制度を十分理解している人はそう多くないと感じますし、「お金の不安」は
なかなか人に話しづらい内容でもあるので質問しづらいですよね。

 なので、まずは「医療費に関する公的制度の全体像」をざっくりで良いから知っておくと
いざ入院になった時に病気以外の不安を小さくすることができると思います。

 入院中なら、病院のソーシャルワーカー(医療相談員)に「使える制度」を聞いてみるのも一つの方法です。

必要になったとき、詳しく調べれば間に合う

 医療に関する公的制度は日常生活ではあまり馴染みがないと思いますが、病院に入院したら
必ず役に立ちます。また必要になったときに、詳しく調べれば入院中や退院後の生活の不安を
軽減するためには十分な時間もあります。

 なかなか理解しづらい内容でもあるため、病気で闘病中の方やそのご家族の方に、
このブログ記事を活用してもらえれば幸いです。


状況別|次に読むと役立つ記事

▶︎ 入院中の医療費を軽減したい方にオススメの記事はこちら。
 👉 高額療養費制度|心不全治療の自己負担を軽減する仕組み

▶︎ 入院中の休業や退院後の就業について不安な方にオススメの記事はこちら。
 👉 傷病手当金|心不全で働けないときの支えに
 👉 障害年金|心不全で受け取れる条件と実際の支給額

▶︎ 退院後の生活に介護が必要となった方にオススメの記事はこちら。
 👉 心不全でも「介護保険」は使える?利用条件・費用・サービス内容を徹底解説


まとめ|心不全とお金は「整理すれば怖くない」

 心不全とお金の不安は、「分からない」ことから生まれやすいものです。

 制度は難しく見えても、役割ごとに整理すれば決して特別なものではありません。

 まずは全体像を知ること。必要になったときに、ひとつずつ確認していけば十分です。

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