- はじめに
- ■ 心臓リハビリテーション指導士とは?
- ■【最重要】受験資格と“落とし穴”を5つに整理(公式準拠)
- ■ 受験資格①:対象となる職種資格を持っている
- ■ 受験資格②:学会会員歴が“直近2年以上”あること(最重要)
- ■ 受験資格③:心リハ実務経験1年以上 or 認定研修制度の修了
- ■ 受験資格④:学会主催の講習会(一部・二部)を受講すること
- ■ 受験資格⑤:提出書類がすべて揃っている(10症例レポートが最大の壁)
- ■ 受験資格まとめ(5つすべて必須)
- ■ 実際に大変だった部分(経験談)
- ■ 学習方法:過去問がない中でどう勉強したか?
- ■ 使用した教材
- ■ 僕がやった学習方法
- ■ 資格取得までのスケジュール例(2025年開始の場合)
- ■ 心臓リハビリテーション指導士を目指すあなたへ
はじめに
心臓リハビリテーション指導士は、
心疾患を抱える患者さんへ 安全で効果的な運動療法・生活指導・心理的サポートを提供するための専門資格 です。
循環器疾患は運動負荷によりリスクが高まりやすく、
一般的なリハビリ以上に 専門的な知識・判断力・リスク管理能力 が求められます。
この記事では、
心臓リハビリテーション指導士を実際に取得した僕が、
- 受験資格と“見落としやすい落とし穴”
- 勉強法と試験対策
- 実際に苦労した症例レポート
- 資格取得までのスケジュール
- 取得する価値とキャリアへの影響
を 僕の経験+公式情報 に基づいてまとめました。
■ 心臓リハビリテーション指導士とは?
心臓リハビリテーション指導士は、日本心臓リハビリテーション学会が認定する専門資格であり、循環器疾患の患者に対して包括的なリハビリテーションを提供する役割を担います。
対象となる疾患の例
- 心不全
- 狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)
- 大動脈解離などの大血管疾患
- 末梢動脈疾患
- 心臓・大血管の手術後
- 心臓リハが必要な複合疾患
心肺運動負荷試験(CPX)や心電図、血圧・酸素化の変動管理など、
循環器領域の幅広い知識が求められるため、資格取得は 専門性の証明 になります。
■【最重要】受験資格と“落とし穴”を5つに整理(公式準拠)
心臓リハビリテーション指導士を受験するには、
次の 5つの条件すべて を満たす必要があります。
落とし穴を含めて詳しく解説します。
■ 受験資格①:対象となる職種資格を持っている
次のいずれかの国家資格(または免許)が必須です。
- 医師/看護師
- 理学療法士/作業療法士
- 臨床検査技師
- 薬剤師/管理栄養士
- 臨床工学技士
- 臨床心理士/公認心理師
- 健康運動指導士
🔍 落とし穴
「心臓リハに少し関わっている」だけでは受験資格に該当しません。
該当資格が必須条件 です。
■ 受験資格②:学会会員歴が“直近2年以上”あること(最重要)
申請時点で 2年以上連続して学会会員であること が必須です。
これは最も誤解されやすいポイントで、
「入会していればOK」ではありません。
📌 入会のタイミング例
2025年4月に入会 → 最短で2027年度の申請(2028年受験)
🔥 最大の落とし穴
- 会費の払い忘れ=会員歴が途切れ、受験が1年遅れる
- 入会が遅れて受験年度に間に合わない
受験を考えている人は、まず入会のタイミングを最優先 にしてください。
■ 受験資格③:心リハ実務経験1年以上 or 認定研修制度の修了
次のいずれかで受験資格を満たせます。
① 実務経験1年以上
循環器患者の評価・運動処方・教育・経過観察など、
心臓リハの一連のプロセスに1年以上関わった経験が必要です。
→ 推薦状が必要。
② 心臓リハ研修制度(認定証)での代替
実務経験が不足している場合でも、
学会の研修制度を修了することで受験可能になります。
🔍 落とし穴
「循環器患者を担当したことがある」だけでは不十分。
評価 → 処方 → 中止基準の判断 → 再評価
これらを体系的に理解している必要があります。
■ 受験資格④:学会主催の講習会(一部・二部)を受講すること
受験する年度に開催される講習会を受講する必要があります。
- 基本は「1部+2部」の両方受講
- 職種によっては一部免除あり
🔍 落とし穴
- 申込枠が埋まりやすい
- 忙しくて日程を逸すると 受験資格が翌年へ延期
- 年度によって開催時期が異なる
※受験を目指すなら 講習会の日程は必ず先にチェック しましょう。
■ 受験資格⑤:提出書類がすべて揃っている(10症例レポートが最大の壁)
提出書類は次の通り。
- 申請書一式
- 所属長の推薦状
- 10症例の自験例レポート
- 対象資格の免許証コピー
- 写真
🔍 落とし穴(とても重要)
症例レポートは 量より質 が問われます。
審査で特に見られる点:
- 病態の理解が正確か
- 評価方法に妥当性があるか
- 運動処方の根拠は明確か
- 予後予測が適切か
- 心不全悪化・不整脈などのリスク管理が正しいか
循環器の深い理解が必要 なため、ここで苦労する受験者が多くいます。
■ 受験資格まとめ(5つすべて必須)
心臓リハビリテーション指導士の受験は、
以下5つの条件が揃って初めて可能になります。
- 対象職種の資格
- 学会会員歴の直近2年以上
- 心リハ経験1年以上 or 認定研修
- 講習会(一部・二部)の受講
- 全書類の提出(10症例レポート含む)
特に ②会員歴・④講習会・⑤症例レポート は早期準備が必須です。
■ 実際に大変だった部分(経験談)
▼ もっとも苦労したのは「10症例レポート」
僕自身、症例報告を書いた経験がほとんどなかったため、
最初は何から取り組むべきかもわかりませんでした。
特に難しかったのは、
- 病態の把握とその根拠
- 運動処方の妥当性
- 文章構成
- 客観的な指標の使用
- 再評価と改善点の整理
これらを 簡潔かつ論理的にまとめる必要がある からです。
ただし、この作業を通じて臨床思考能力が大きく向上し、
循環器の理解が深まったのは確かです。
■ 学習方法:過去問がない中でどう勉強したか?
心臓リハビリテーション指導士には 過去問がありません。
そのため、僕は次の方法で勉強しました。
■ 使用した教材
🔹 日本心臓リハビリテーション学会「心臓リハビリテーション必携」
→ 試験のベースとなる最重要書籍
🔹 養成カリキュラム(公式)
https://www.jacr.jp/jacrreha/system/curriculum/
→ 出題範囲(公式)。必携とセットで必須。
■ 僕がやった学習方法
- 必携を「何度も読み込み、重要箇所を抽出」
- 自分用の要点ノートと自作問題集を作る
- 心不全・心電図・臨床検査・薬理は別途深掘り
- 試験直前はほぼ必携を丸暗記レベルまで仕上げた
📌 反省点
必携だけでは不十分で、
臨床検査・心不全の病態・薬理・教育・心臓外科 など幅広い領域が必要。
公式カリキュラムを最初から参照していれば
もっと効率よく勉強できたと思います。
■ 資格取得までのスケジュール例(2025年開始の場合)
- 2025年:学会入会
- 2025〜2027年:会員歴の確保
- 2025〜2027年:心リハ実務経験
- 2026年:講習会受講(1部・2部)
- 2027年:10症例レポート作成
- 2028年:受験
最短でこのスケジュールが現実的です。
■ 心臓リハビリテーション指導士を目指すあなたへ
この資格は、決して簡単ではありません。
時間も労力も必要です。
しかし、その過程で身につくのは
- 正確な病態理解
- 臨床推論
- 運動療法の安全性
- 循環器領域に対する自信
こうした “医療者としての軸” です。
僕自身、この資格を取得したことで、
理学療法士としての幅が広がり、働き方の選択肢も増えました。
今の臨床を変えたい
循環器をもっと理解したい
一歩踏み出したい
そう思うなら、この資格は必ず大きな力になります。


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