心臓リハビリテーション指導士を取得した理由と、その後の変化

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この記事では、僕が「心臓リハビリテーション指導士」という資格を取得した理由と、実際の臨床で どんな変化があったのかを、自分の経験に基づいてお話しします。

「資格を取ったほうがいいのかな」「実際に現場で役に立つのかな」と悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

なぜ心リハ指導士の資格を取ろうと思ったのか?

僕がこの資格を目指すきっかけになったのは、臨床に出て間もない頃に担当した、心不全のおばあちゃんとの出会いでした。

呼吸苦やチアノーゼなど、目の前で起こる症状にどう対応すべきか分からず、強い恐怖と不安の中でリハビリを進めていたことを、今でもはっきり覚えています。

その方は、ほどなくして心不全の急性増悪でお亡くなりになりました。その時に「もっとできることがあったのではないか」と、何度も自分に問い続ける日々が続きました。

この経験から、「同じような状況で、もっと自信を持って動けるようになりたい」と思い、心不全の理解を深めるために勉強を始めました。

その中で出会ったのが、「心臓リハビリテーション指導士」という資格でした。

どんなことを学んだのか?

この資格では、心不全や虚血性心疾患といった循環器疾患の病態、薬物療法、心リハにおける運動療法、安全管理、そして多職種連携など、非常に幅広い内容を学びます。

個人的に特に印象的だったのは、「うっ血性心不全の患者は寝ているよりも、座っている方が呼吸が楽になることもある」という視点でした。

以前は『息苦しいと訴えているのに、離床を進めてもいいのかな?』という不安を感じていましたが、  心不全が進行して体に水分が貯まった状態では、寝ている姿勢よりも体を起こした方が心臓への負担を軽減できるということを知り、大きな衝撃を受けました。   

さらに、チーム医療の重要性についても改めて実感しました。理学療法士だけではできることは限られており、多職種と連携することでそれぞれの専門性を活かした医療を提供することができるとわかりました。

取得後、実際の現場でどう変わったか?

資格取得後は、循環器疾患への理解が深まったことで「どこまでリハビリを進めていいのか」「何を観察すべきか」が明確になり、判断に自信を持って患者さんと接することができるようになりました。

以前は、「なんとなく不安」「何かあったらどうしよう」という曖昧な感覚でしか行動できなかったのが、今では「リスク」についても理解できているので、安全かつ積極的にリハビリを行えていると感じています。

一方で僕の場合はですが、「資格取得に関する費用は手出し」、「資格取得しても診療算定報酬での加算はないので給料に反映されづらい」などの金銭的な不利もありました。 

資格取得は時間もお金もかかりますが、理学療法士にとって「知識」は大きな財産です。知識のあるなしでできることは変化し、リハビリの結果を変えることもあります。僕は振り返った時に資格取得に向けて頑張って良かったと思っています。

資格はあくまで“スタート地点”

資格取得後は、心不全患者さんに対して「どこまで動かしていいのか」「何に注意すべきか」が明確になり、今までよりも判断に自信を持てるようになりました。

以前は、「なんとなく不安」「何かあったらどうしよう」という曖昧な感覚でしか行動できなかったのが、今では「理由を持って、動ける」ようになったと感じています。

また、リハビリの方針について医師や看護師と相談する場面でも、専門的な用語や指標を共有できるようになり、より深い連携が取れるようになりました。

一方で、「資格を取ったからといって何でもできるようになるわけではない」とも感じています。チームの理解や現場の体制が伴っていなければ、資格があっても十分に活かせないこともあるのが現実です。

これから資格を目指す人へ

・もしあなたが…

・心不全の患者さんと日々関わっている
・チーム医療に興味がある
・自分の判断に少しでも不安がある

…そんな方であれば、心臓リハビリテーション指導士は非常に実用的で、現場に直結する学びが得られる資格だと思います。

資格はあくまで「患者さんのために使う道具」です。

知識に自信が持てるようになることで、患者さんに安心を届けられるようになる。そのために、僕はこれからも学び続けたいと思っています。

まとめ

  • 心臓リハビリテーション指導士は、患者の安全と予後を守るための“実践的な資格”
  • 学びを通じて、判断力・説明力・チーム連携に変化があった
  • 資格を取ることはゴールではなく、臨床で活かすことが大切

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