最近、お医者さんから「お酒は控えるように」と注意を受けませんでしたか?
お医者さんからお酒を控えるように言われても…
「少しぐらいなら飲んでもいい?」
「完全にやめないとダメ?」
とついつい考えてしまいますよね。
お酒を飲む機会は、飲み会・イベント・習慣などたくさんあるので、
お酒が飲めなくて楽しみを失うのは想像以上にストレスですよね。
飲酒が心不全の悪化に関係していることをご存じでしょうか?
・安全なアルコールの摂取量
・アルコールに潜む危険性
・禁酒するための具体的方法
・禁酒を継続するための具体的な方法
について詳しく解説しています。
▶︎日本循環器学会 / 日本心不全学会合同 2025 年改訂版 心不全診療ガイドラインに
基づいて、理学療法士『ゆうゆう』が監修しています。
⚠️ 医療情報に関する注意
本サイトは医療情報の整理と解説を目的としており、特定の治療や医療行為を推奨するものではありません。症状や治療についての最終的な判断は、必ず主治医や医療機関にご相談ください。
💡結論:飲酒はできるだけ控えることが最も安全
心不全の方は「どのくらい飲んでよいのか」と悩むことが多いですが、
結論は「できるだけ飲酒は控えるのが最も安全」です。
どうしても飲むなら…
医師・薬剤師と相談のうえ、節酒+生活管理+自己チェックが必須です。
安心して生活できる方法を、医療者の立場からていねいに解説します。
なぜ「心不全 × 飲酒」は危険なのか?
理由①:飲酒による脱水・電解質の乱れが心不全悪化の要因になる
アルコールには、利尿作用(=おしっこが増える働き)があるため…
- 脱水
- むくみや息切れ
- 血圧の急激な上下
- 不整脈
これらが発生しやすくなります。
心不全にとって体液のバランス維持が命綱です。
少しの乱れが心臓へ負担をかけ、大きな悪化を招く可能性があります。
理由②:長年飲むと「心臓の筋肉そのものが弱る」
これは「アルコール性心筋症」という病気です。
この病気では心臓の筋肉が伸びて、血液を全身に送るポンプとしての機能が低下します。
また一度進行すると心臓は元に戻りにくく、心不全が悪化します。
(European Heart Journal, 2024)
- 利尿薬・抗不整脈薬を飲んでいる
- 腎臓が悪いと言われたことがある
- 心房細動などの不整脈を指摘されたことがある
ひとつでも当てはまる場合は、飲酒に注意が必要です。
「少量ならOK説」は本当?最新研究の答え
昔は「少量の飲酒はむしろ心臓に良い」と言われてきましたが、
近年は「健康リスクの観点では、安全と言い切れる飲酒量はない」とする見解が示されています。
最新の研究結果では…
- 遺伝的に飲酒しやすい体質の人ほど心臓病リスクが高まる
(JAMA Network Open, 2022) - 週70g以上(缶ビール2〜3本程度)で心機能が悪化する傾向
(Heart Failure研究, 2024) - 安全な飲酒量は存在しない
(各国心臓財団・2023〜2024)
と報告されており、心不全患者は少量の飲酒でも病状によってはリスクになる可能性があります。
それでも飲みたい場合|心不全患者の飲酒量の目安
「最低限の自衛策」として、あくまで リスクを減らすなら…
- 飲酒は週1〜2回まで
- 純アルコール10〜15g以内
※ビール小瓶半分や日本酒ぐい呑み1杯程度 - 必ず休肝日を設ける
- 飲酒後翌日は体調をチェックする
→ 特に体重の増加、むくみ、息切れ、脈の乱れには要注意!
※この記事の飲酒量は一般的な目安であり、飲酒を推奨するものではありません。
適正な飲酒量は、個人差や病状によって異なります。
個別の飲酒量は、自己判断せずに必ず主治医や医療機関にご相談ください。
禁酒するための具体的な手順
禁酒は意志ではなく方法です。
目標を立て、飲酒のきっかけを知り、代わりの行動を作ることで成功しやすくなります。
Step1:目標を設定する
いきなりゼロにする必要はありません。
段階的でも良いのでアルコールの摂取量を減らしていきましょう。
<目標の一例>
・「週に3日は飲まない」
・「アルコールは1日〇g以下にする」
💡ポイント:目標はできるだけ具体的かつ測定が簡単な方が良いです。
Step2:どんな時にお酒を飲んでいるのか記録する
どんな時にお酒を飲みたくなるのかを確認しましょう。
<例えば>
・毎日、仕事後に習慣で飲んでいる
・週に1〜2回、イライラした時や不安を感じた時にお酒を飲みたくなった
・月に1〜2回、職場の飲み会があって人付き合いで飲んだ
💡ポイント:お酒を飲んだ後に「なぜ?」、「どこで?」、「どんな時に?」をメモして、
「何をきっかけにお酒を飲んでいるのか」を見える化する。
Step3:飲酒したくなった時の代替品を準備する
飲酒したくなった時の代わりを用意しましょう。
<例えば>
・ノンアルコール飲料
・炭酸水
・ガム、軽食
・散歩、入浴
💡ポイント:「お酒を飲まない」ではなく「別のものに置き換える」ことで
アルコールを遠ざけましょう。
✅ 禁酒がつらい方へ
心不全の管理では飲酒を控えることが大切ですが、
長年の習慣を急に変えるのは簡単ではありません。
無理に我慢し続けるよりも、
まずは普段のお酒をノンアルコール飲料に置き換える方法もあります。

「禁酒がつらい」と感じている方へ
お酒の代替手段として、ノンアルコール
飲料という選択肢もあります。
この記事では、禁酒を続ける工夫として、ノンアルコール飲料の選び方を解説しています。
禁酒を継続するための具体的な方法
短期間の禁酒に成功したら、次はさらに長い期間の禁酒に取り組んでみましょう。
禁酒を継続するための環境を整える
物理的距離を設けることで、さらにアルコールを遠ざけましょう。
<例えば>
・家にアルコールを置かない
・飲み会を減らす
・飲む人と距離をとる
ある研究でも環境を整えることで禁酒の成功率が高まると報告されています。
(National Institute for Health and Care Excellence)
飲酒しなかった日のセルフモニタリングをする
飲酒した日と飲酒をしなかった日の気分や体調を記録してみましょう。
記録をすることで気分や体調の変化に気づきやすくなり、継続率が高まると報告されています。
飲酒後に要注意の症状
飲酒した後に以下の症状が出現する場合は「心不全悪化のサイン」かもしれません。
・体重が急に増える(1〜2kg/数日)
・むくみ悪化
・夜間の呼吸苦・息切れ
・脈の乱れ/動悸
・尿量が極端に少ない/多い
これらの症状以外にも、心不全悪化のサインがあります。
心不全悪化を早期に発見すれば、それだけ心臓への負担を減らし、入院期間の短縮に繋がります。

✅ 再入院予防には、心不全悪化の
サインを早期に発見することが
重要です!
こちらの記事は再入院に不安がある方に
オススメです!
症状に関して不安がある場合は、自己判断は避け、必ず主治医や医療機関にご相談ください。
まとめ
安全と言い切れるアルコール摂取量はないと考えられています。
飲酒をできるだけ控えることは、生活の質を守ることにもつながります。
飲酒するなら、医師・薬剤師に相談して節酒と体調管理を徹底するようにしましょう。
禁酒するための具体的ステップ
Step1:目標を設定する
Step2:どんな時にお酒を飲んでいるのか記録する
Step3:飲酒したくなった時の代替品を準備する
禁酒を継続するための具体的な方法
・禁酒を継続するための環境を整える
・飲酒しなかった日のセルフモニタリングをする
まずは普段のお酒をノンアルコール飲料へ代えてみることから始めませんか?
小さな一歩から心臓を守りましょう。
こちらの記事では「禁酒」以外にも、心不全を予防するための重要な生活習慣についてまとめて解説しています。

✅ 運動習慣、生活習慣病、体重管理、
減塩、ストレス、禁煙、飲酒などの
心不全の生活管理について全体像を
知りたい方にオススメです!
📚参考文献
- Domínguez F, et al. European Heart Journal. 2024.
- Rasoul D, et al. Heart Failure Review. 2023.
- Wong B, et al. Heart Failure Progression Study. 2024.
- UK Biobank Cohort. JAMA Network Open. 2022.
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールと循環器疾患」.


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